テレビ東京の番組「なんでも鑑定団」が好きでよく見ている.その中で,陶器の小汚い茶碗がとんでもない値段になることがある.人間国宝ともなると,なんであんなものがというものが多い.ほとんどが陶器です.陶器と磁器を比べると,はるかに磁器のほうが優れています.陶器に比べ,磁器の製造は難しく,美しいです.それなのに,人間国宝の作った小汚い陶器がとんでもない価格がつくことに,違和感があります.芸術なんて,美しさよりも誰が作ったか /描いたかで価値が決まるので,仕方ないとも思っています.
世界最古の陶器は約2万年前のもので,その頃から作られていることになります.それに対して,磁器は中国の北宋で11世紀に発明されました.それだけ磁器の製造が難しいということです.磁器の優れている点は,以下のとおりです.
- その白さです.真っ白なため,図柄が映え,どのような色でも美しく仕上げることができます.料理や飲物の色にも邪魔しません.
- 硬いため薄く作ることも可能です.
その他には,光を通すことができる(透光性)とかもあります.要するに,陶器に比べて磁器のほうが洗練されたデザインになります.陶器はその性質上,野暮ったくなります.
発明された当初,磁器が製造可能なのは中国のみでした.そのため,世界中で珍重され,いまでも「china」と呼ばれています.日本で磁器が作られるようになったのは1600年頃で,ヨーロッパでは1700年頃です.それだけ磁器の製造は難しいということです.難しい理由は,材料の入手と温度です.陶器の焼成温度は 1200 ℃ 以上,磁器は 1350 ℃以上です.
わび・さびということで,陶器はとんでもない価格のものがあります.その一方,洗練されている磁器はわび・さびという表現は不可能です.わび・さびのもとの意味 (Wikipedia からの引用) は,
日本の美意識の1つ。貧困と孤独のなかに心の充足をみいだそうとする意識。閑寂ななかに、奥深いものや豊かなものがおのずと感じられる美しさをいう。
です.人それぞれ美意識が違うので,なんとも言えませんが,大多数の人は「わび・さび」は美しいと感じないはずです.わび・さびはしみったれて,貧乏くさいものです.そんなものを美しいと言い切るのは,なんか違うように思います.
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