これまで長いこと民間会社で,エンジニアーの仕事をしてきました.管理職との二足のわらじを履いている期間も長かったです.私が若い頃から今でも,ホワイトカラーの仕事の生産性が問題になっています.このホワイトカラーの生産性について,私の考えを述べます.ただし,私はエンジニアーの仕事の狭い世界しか知らないので,一般化できるかどうかはわかりません.
様々な人がいろいろなこと言っていますが,私の経験から,ホワイトカラーの生産性を上げるために,必要なことはたった2つだと思っています.
- 適切な仕事配分: 適切な質と量の仕事を与えること.
- 正当な評価: 仕事の成果に対して正当な評価をすること.
いずれも管理職 (経営者側) の基本的な仕事です.これができると,ホワイトカラーの生産性は劇的に上がると考えています.
適切な仕事の配分 (質と量) はスキルの低い人への配慮です.能力やモチベーションの低い人,新人へ対応です.これらの人は本人が努力してスキルアップしなくてはなりませんが,それを促すように仕事を与えることが大事です.新人の場合は比較的容易ですが,ある程度年数を経た人に適切な質と量の仕事を与えることは困難です.なだめすかし,手本を見せて,褒めてその気にさせなくてはなりません.とても時間がかかりますし,忍耐が必要です.
正当な評価はスキルの高い人への配慮です.この人達は正当に評価されると,モチベーションを保ったまま素晴らしいパフォーマンスを発揮してくれます.逆に,正当な評価をしないと,最悪の場合,会社を辞めてしまうでしょう.その損失は計り知れないです.正当に評価することの難しさは,評価を低くせざるを得ない人をどうするかです.特に,日本社会では,低い評価をつけることが難しいですね.
この2つのこと (適切な仕事配分,正当な評価) はテレワークにおいても,とても大事です.これらができると,テレワークは効率的なシステムになると考えます.自主性に任せたテレワークは,ありえないと考えています.自主性は管理職の怠慢だと考えています.
ここで述べたことは,多くの人が気がついているはずです.それにも関わらず「なぜ,できなかったのか? どうすればよいのか?」を考える必要があると思います.