2022/05/16

ハンガリーのマルトンヴァーシャール(Martonvásár)

仕事で、ハンガリーのマルトンヴァーシャール (Martonvásár) に,一週間 (5/9から5/15) ほど滞在しました.首都ブタペストから南西に30 km くらいです.緯度は日本の宗谷岬より少し北で樺太の南端くらいですが,気温は東京と変わらないです.日中の最高気温は 25 ℃ 程度で東京とそれほど変わりませんが,湿度が40 % 程度と低く、爽やかな感じです.


マルトンヴァーシャールでは,Hotel Ludwig に滞在しました.こぢんまりしたきれいなホテルで、周りは木々が多く緑に囲まれてます.道を挟んだ隣はブルンスヴィック宮殿で,朝晩の散歩にちょうど良いです.ただ,周辺には日本のようなコンビニはありません.

一人での宿泊ですが,部屋には4つのベッドがあります.部屋は広く,きれいで快適です.バスやトイレも清潔です.窓からは美しい木々が見えます.いい感じです.

Hotel Ludwig
ホテルの部屋
ホテルの窓からの景色

ホテルの朝食はバイキング形式で,まずまず良いです.夜はハンバーグとかピザです.日本人にはすぐに飽きてしまいます.その一方で,たくさんの種類のビールがあり,美味しくて楽しめます.日本のビールはどれも似たような味ですが,ハンガリーのビールは様々な味やアルコール度のビールがあります.普段,お酒を飲まない私でも,ハンガリーのビールはまた飲みたくなります.水替わりのような感じです.日本でもハンガリーのビールが販売されれば,売れると思います.

ホテルの晩御飯に飽きたころもあり,ホテル近くのレストラン Postakocsi Étterem に行きました.おしゃれなレストランで,その中庭で食事をしました.この時期,外での食事は気持ちが良いです.下の写真の料理をいただきました.左側はハンガリーの伝統的なスープ「グヤーシュ」です.右側はウェートレスさんお勧めの豚肉の料理です.どっちも,とても美味しかったです.写真に写っている飲み物はビールです.カクテルのようなビールで,美味しい.ただ,フライドポテトは多かったーなー.

この季節,毎日晴れており,空の青と木々の緑が美しいです.そして,家々の色調の統一感が素晴らしいです.屋根の瓦は茶色で,壁は白からクリーム色です.道路など公共の場所には,ごみが全く落ちておらず,いたるところが公園のようです.街全体が清潔です.開けた感じで,どこでも見通しが良いです.ガードレールがないのが良いですね.景観を乱す看板とかもありません.

ハンガリーは緯度が高いため,20時過ぎまで明るく,多くの市民がそれぞれ夕方を楽しんでいます.アイスクリーム屋さんの店外の椅子で,老いも若きも食べています.また,カフェの外の椅子にすわりビールを飲んでいる人も多いです.ただ,酔っ払うような人を見ることはなく,たいていはビール一杯と簡単なおかずで,そそくさと帰るようです.日本ように遅くまで仕事をする習慣は無く,夕方の5時くらいからは人生を楽しんでいます.平日の夕方にお父さんが子供と遊んでおり,それが普通の風景です.日本と比べ,国の経済は厳しいようですが,どっちが裕福なのかは分からないです.少し,考えさせられます.

滞在したホテルの道を挟んだ向かいは,ハンガリーでは有名なブルンスヴィック宮殿です.かつてベートーヴェンが滞在し,そこの主の伯爵はピアノソナタ24番 (テレーゼ) の献呈を受けたとのことです.伯爵の令嬢姉妹がベートーヴェンの恋人だったとのうわさがあります.妹の名はテレーゼですが,姉が恋人だったとも言われていますが,真意は不明なようです.

ホテルの前にあるベートーベンと伯爵令嬢.

この宮殿は英国式の美しい庭園があることで有名です.今は市民に開放されており,日の長い夕刻,多くの市民が楽しんでいます.私は夕方と朝早く目が覚めたときに,散歩に出かけました.ある朝,散歩しているとふくろうの子供に出会いました.まだ上手に飛べないようで,私を見て威嚇していましたが,私は逆に癒されました.

ウクライナ戦争やコロナの影響はまったく無く,訪問したハンガリーはとても平和でした.とはいえ,かつてのハンガリーはソ連の影響下にあり,ほんの数十年前に苦難の歴史があったことも事実です.そこで,かつてのハンガリーを探す散策をしました.当時をしのばせるものとして見つけたのは,いかにも共産党時代に量産されたコンクリート製の電柱と兵士の像です.古い電話ボックスもありました.ソ連の崩壊から30年も経つと,その影響下のあったものはなかなか見つけられないですね.


町を散歩して分かったことですが,時間がゆっくり流れており,かなりのどかです.ごみひとつ落ちておらず,犯罪とか貧困とかまったくそのような気配は無いです.加えて,子供や若い人が多いです.日本は高齢化社会だとつくづく思います.文化的な理由かどうかは分かりませんが,多くの若者が刺青(今風に言うタトゥー)を入れていました.ちょっと驚き.

次は,仕事ではなく自由気ままにハンガリーを回りたいです.そして,東ヨーロッパを列車で旅したいですね.高校生の頃,五木寛之の東ヨーロッパを舞台にした小説が好きで,よく読んでおり,そこを巡ることが近い将来の夢です.

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